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スウェーデンチャウジャスへの高速撮像カメラの設置

2017 年 9 月 4 日から 8 日まで、プロジェクトメンバーの小川、細川がスウェーデンのキルナに出張し、キルナから南に 100 km ほど離れたチャウジャスという場所への 100 Hz 高速撮像カメラの設置作業を行いました。キルナへは、ノルウェーのトロムソからバスと電車を乗り継いで移動しました。チャウジャスへでの観測は、キルナにあるスウェーデン王立宇宙科学研究所(IRF)との共同研究の枠組みの中で行われており、カメラの設置作業は IRF の Urban Brändström 博士の全面的な協力のもとで実施されました。チャウジャスは IRF が実施している ALIS というオーロラ観測システムの拠点のひとつで、今回は、ALIS が使っている観測小屋の隣に新しく観測小屋を準備してもらい、その中にカメラを設置しました。


IRF での準備風景


2つの観測小屋


現地での作業は、朝 7 時にキルナを出発し 2 時間のドライブを経てチャウジャスに到着するところから始まります。IRF によってすでに観測小屋は設置されていたので、設置作業の初日は本プロジェクトのカメラの搬入と設置を行いました。幸い、2 日間の作業日はどちらも天候に恵まれ、北欧の森特有の蚊には悩まされましたが、順調に設置作業を行うことができました。M クラス、X クラスの太陽フレアが発生し、コロナ質量放出(CME)が地球に向かっている段階での設置作業になりましたが、CME が地球近傍の宇宙空間に影響を及ぼし始める前にカメラの稼働を開始することができました。設置後すぐのテスト観測の夜には、CME の影響で激しく変動するオーロラを観測することに成功しています。


設置作業の合間の休憩


設置された EMCCD カメラ


設置作業の 2 日目は、前日のテスト観測の結果を確認したり、停電が起こったときにどのようにシステムを復旧させるかのシミュレーションを行いました.チャウジャスは、キルナから遠く、冬期にはメンテナンスのための出張をすることができません。システムに問題があったときにどのようなに復旧を行うかについて入念に検討を行っています。設置作業終了後には、本プロジェクトと IRF の間の共同研究協定に関する話し合いも行われました。チャウジャスへのカメラの設置により、本プロジェクトと PWING プロジェクトの共同で行っている北欧オーロラ観測の観測点が 4 つになりました。緯度方向に 10 度、経度方向に 30 度の広い領域を 4 台の高速撮像によってカバーし、あらせ衛星や EISCAT レーダーなどとの同時観測によって脈動オーロラの時空間変動を明らかにしたいと考えています。


作業完了の記念写真


共同研究協定に関する相談

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