研究ブログ31 May 2016
大山の論文がJGR で featured article としてハイライトされました
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2018 年 2 月 14 日から 19 日にかけて、脈動オーロラをターゲットとしたレーダー実験を実施しました。ノルウェーのトロムソにある欧州非干渉散乱レーダー(European Incoherent Scatter Radar: EISCAT)を用いて、脈動オーロラに伴って変動するプラズマの密度(電子密度)を極限の時間分解能で計測することが目的です。トロムソの EISCAT レーダーサイトに、プロジェクトメンバーの小川、田中と、研究協力者の高橋さんが滞在して実験を実施しました。以下の写真は、レーダーのコントロールルームの風景です。日本から実験のために出張した 3 名と、EISCAT レーダーサイトの Guttorm Mikalsen さんによって、毎晩夕方から朝まで長時間のレーダーのオペレーションが行われました。
ノルウェーのトロムソは沿岸部にあるため、晴天率が低く、一週間近くにわたって連続して天候に恵まれることは非常に稀です。また、仮に空が晴れていたとしても、オーロラを引き起こすような太陽風の乱れが来ないことには、良いデータを取ることができません。この二つの条件が同時に満たされる確率はかなり低いのですが、今回の特別実験期間中、両方の条件がほぼ完璧に満たされた条件が 5 晩にわたって継続するというミラクルが起こりました。全ての晩で活発な脈動オーロラを観測することができ、本プロジェクトで目指している光と電波による観測を組み合わせた脈動オーロラの複合観測に成功しました。今後は、今回得られたデータを用いて、脈動オーロラを作り出す降下電子のエネルギーの推定や、脈動オーロラに伴う大気変動の研究を進めていく予定です。
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