研究ブログ23 Dec 2016
NHK ニュースウオッチ 9 に脈動オーロラが出演
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3 月末に、本プロジェクトが PWING プロジェクトと共同で展開している北欧およびアラスカの光学観測や地上磁場観測、北欧における EISCAT レーダーや SuperDARN レーダーと、昨年打ち上げられたあらせ衛星による同時キャンペーン観測が実施されました。あらせ衛星が定常観測を開始した頃には、緯度の高い北欧やアラスカでは日が長くなり、光学観測ができる時間が急速に短くなってきていました。そのため、同時観測が行えるチャンスは非常に限られたものになっていたのですが、非常な幸運に恵まれ、我々が設置したカメラの上空をあらせ衛星が通過している時間帯に活動的な脈動オーロラを複数回観測することができました。
キャンペーン観測の成功を受け、観測期間中のデータをどのように組み合わせた解析を行っていくのかを話し合うために、4 月 5 日にプロジェクトメンバーが名古屋大学宇宙地球環境研究所に集まり、キャンペーン観測の速報会を開催しました。キャンペーン期間中には複数の脈動オーロラの事例が観測されましたが、データをつきあわせて議論を行ううちに、事例によってその形態が少しずつ異なり、脈動オーロラが様々な顔を持つ現象であることが分かってきました。また、本プロジェクトのメンバーの多くが含まれているあらせ衛星の運用チームの尽力のおかげで、あらせ衛星も脈動オーロラの起源である磁気圏の波動現象をクリアにとらえていることが分かりました。5 月には、各観測拠点から 100 Hz サンプリングのデータが戻ってきて、データ解析が本格化していきますが、キャンペーン観測のデータをフル活用して、脈動オーロラの起源を完全解明するような研究に繋げていきたいと考えています。
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